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長谷川宏『日本精神史 近代篇 上・下』

日本精神史 近代篇 上 (講談社選書メチエ) 作者:長谷川宏 講談社 Amazon 日本精神史(下) (講談社学術文庫) 作者:長谷川宏 講談社 Amazon 上記の書評が、『週刊読書人』12月15日号に掲載されています。

安藤礼二『縄文論』

上記の書評が、「週刊読書人」12月16日号に掲載されています。

杉田俊介『橋川文三とその浪漫』

上記の書評が、「週刊読書人」7月1日号に掲載されています。

マシュー・C・クレイン/マイケル・ペティス『貿易戦争は階級闘争である 格差と対立の隠された構造』

貿易戦争は階級闘争である――格差と対立の隠された構造 作者:マシュー・C・クレイン,マイケル・ぺティス みすず書房 Amazon ジジェクは、『パンデミック2』で次のように本書に触れている。 現代における階級闘争の強力な再起とは、あらゆる矛盾の階級闘争へ…

文学の毒――平野謙と瀬戸内晴美

ユリイカ 2022年3月臨時増刊号 総特集◎瀬戸内寂聴 ―1922-2021― 作者:横尾忠則,竹西寛子,黒田杏子,瀬戸内寂聴 青土社 Amazon 『ユリイカ 2022年3月臨時増刊号 総特集 瀬戸内寂聴―1922-2021』に、「文学の毒――平野謙と瀬戸内晴美」が掲載されています。 よろし…

性急さについて――金井美恵子へ向って一歩前進二歩後退 その2

完全犯罪とは奇妙なものだ。それが真に「完全」なら、「犯罪」そのものが無と化すからだ。『絢爛の椅子』の敬夫を苦しめるのは、まさにこのことだ。 電話をかけたのがミステークであると思っても、それは今さらしかたのないことであり、最初の犯罪が迷宮入り…

性急さについて――金井美恵子へ向って一歩前進二歩後退

小説を読む、ことばを書く (金井美恵子エッセイ・コレクション[1964−2013] 3 (全4巻)) 作者:金井 美恵子 平凡社 Amazon 作者と語り手は別のものだ。そんなことは、今さら言うまでもない。どんな小説の「教科書」にも書かれている。だが、この言葉自体が、両…

武田泰淳の恥ずかしさ その3

わが子キリスト (講談社文芸文庫) 作者:武田 泰淳 講談社 Amazon 武田泰淳が、まさに一九六八年に書いた『わが子キリスト』は、その前年に文化大革命下の中国を訪れ、翻って日本の戦後民主主義における天皇へのフェティシズムを作品化したものではなかったか…

武田泰淳の恥ずかしさ

司馬遷―史記の世界 (講談社文芸文庫) 作者:武田 泰淳 講談社 Amazon 柄谷行人とすが秀実が、一九八九年という冷戦終焉の年に、揃って武田泰淳について論じたことは記憶に強く残っている(柄谷行人「歴史と他者」(『終焉をめぐって』)、すが秀実「方法とし…

保守革命の「時間と自己」

時間と自己 (中公新書) 作者:木村敏 中央公論新社 Amazon 亡くなった木村敏は、分裂症親和的な時間を「前夜祭的(アンテ・フェストゥム)」、鬱病親和的な時間を「あとの祭り(ポスト・フェストゥム)」と呼んだ。これらが、ルカーチ『歴史と階級意識』から…

綾目広治『小林秀雄 思想史のなかの批評』

小林秀雄 思想史のなかの批評 作者:綾目広治 発売日: 2021/02/20 メディア: 単行本 上記書評が、「週刊読書人」4月23日号に掲載されています。 すでにweb版で全文が公開されています。 https://dokushojin.com/review.html?id=8125 いつの時代にも、その…

近代のはずみ、ひずみ 深田康算と中井正一(長濱一眞)

近代のはずみ、ひずみ 作者:一眞, 長濱 発売日: 2020/01/31 メディア: 単行本 何度か書いてきたことだが、ISの登場以降、再び三度「非西洋」が「もの」(フェティッシュ)としてリアリティを帯びてきている。それは、このコロナ禍においても、持続、拡大し…

石川義正『政治的動物』書評

政治的動物 作者:石川義正 発売日: 2020/01/23 メディア: 単行本 群像 2020年 05 月号 [雑誌] 発売日: 2020/04/07 メディア: 雑誌 「群像」5月号に、石川義正『政治的動物』の書評「疎外はのりこえられたか」が掲載されています。よろしくお願いいたします。

疎外された天皇――三島由紀夫と新右翼

三島由紀夫1970 (文藝別冊) 発売日: 2020/03/28 メディア: ムック 発売中の『三島由紀夫1970』(文藝別冊)に、拙稿「疎外された天皇――三島由紀夫と新右翼」が掲載されています。よろしくお願いいたします。

柄谷行人と韓国文学

柄谷行人と韓国文学 作者:ジョ・ヨンイル 出版社/メーカー: インスクリプト 発売日: 2019/11/30 メディア: 単行本 上記の書評が、「週刊読書人」2月21日号に掲載されています(以下、ウェブ版に全文掲載)。 dokushojin.com

上級国民と一夫多妻

上級国民/下級国民 (小学館新書) 作者: 橘玲 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2019/08/01 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 2019年4月の池袋における車の暴走事故以来、ネット上に飛び交うようになった「上級国民/下級国民」という概念について…

ニックランドと新反動主義(木澤佐登志)

ニック・ランドと新反動主義 現代世界を覆う〈ダーク〉な思想 (星海社新書) 作者: 木澤佐登志 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/05/26 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る ニックランドとCCRUがこうした冷戦終了後の90年代に現れたのはその…

江藤淳と新右翼

江藤淳: 終わる平成から昭和の保守を問う 作者: 中島岳志,平山周吉 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/05/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 本誌に、上記批評が掲載されています。 よろしくお願いいたします。

いのちの女たちへ とり乱しウーマン・リブ論(田中美津)

いのちの女たちへ―とり乱しウーマン・リブ論 (河出文庫―ウイメンズコレクション) 作者: 田中美津 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 1992/03 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 2回 この商品を含むブログ (1件) を見る 一九九〇年代後半、アジアに対…

〈空白〉の根底 鮎川信夫と日本戦後詩(田口麻奈)

〈空白〉の根底 鮎川信夫と日本戦後詩 作者: 田口麻奈 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 2019/03/14 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 本書をご恵投いただきました。 いつも論考を拝読している、現代詩の研究者である田口麻奈氏による、鮎川信夫…

あるリベラリスト(高見順) その2

作品前半には、そのリベラリズム=文学が、切断されないまま、負け続けることで勝ち続けるものとなっていく、その予兆が描かれているように思う。 冒頭、「進歩的な文芸評論家」と目されている「秀島」が、C町文化会で講演を行うところから作品は始まる。与…

あるリベラリスト(高見順) その1

草のいのちを 高見順短篇名作集 (講談社文芸文庫) 作者: 高見順 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/09/11 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 1951年発表のこの小説は、社会主義者として「大正」期の初期社会主義文学運動に関わり、今や周囲…

ドゥルーズとマルクス 近傍のコミュニズム(松本潤一郎)

ドゥルーズとマルクス――近傍のコミュニズム 作者: 松本潤一郎 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2019/02/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 本書をご恵投いただきました。 中上健次は「物語とは、資本である。物語論とは、資本論である」…

ドイツの新右翼(フォルカー・ヴァイス)

ドイツの新右翼 作者: フォルカー・ヴァイス,長谷川晴生 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2019/01/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 話題の本書によれば、ドイツの保守は伝統的にヨーロッパを「夕べの国」と呼んできた。この概念については…

松本圭二『チビクロ』(『松本圭二セレクション9』)

チビクロ (松本圭二セレクション)作者: 松本圭二出版社/メーカー: 航思社発売日: 2018/06/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る「週刊読書人」8月24日号に、上記の書評が掲載されています。web版 ⤵ で読むことができます。 https://dokus…

江藤淳の共和制プラス・ワン

子午線 原理・形態・批評 vol.6作者: 藤本哲明,究極Q太郎,中島一夫,増田秀哉,大杉重男,稲川方人,松本圭二,森本孝徳,白鳥央堂,安里ミゲル,石川義正,綿野恵太,長濱一眞出版社/メーカー: 書肆子午線発売日: 2018/06/15メディア: 単行本この商品を含むブログ (1…

資本主義リアリズム――「この道しかない」のか?(マーク・フィッシャー)その3

かつて社会主義リアリズムというのがあった。ロシア革命を成就したソ連においては、社会主義がリアリズムたり得た。したがって、それが必然性であり普遍性であった。だが、革命を実現していない資本主義国(例えば日本)に移植された時、それは途端に矛盾を…

資本主義リアリズム――「この道しかない」のか?(マーク・フィッシャー)その2

したがって、単にアナーキズム的、ヒップホップ的な「反」資本主義ではなく、資本主義とは異なる「普遍性」でもって対抗しなければならない。「バディウが力説したように、有効性のある反―資本主義とは、資本への反発でなく競争相手(ライヴァル)でなければ…

資本主義リアリズム――「この道しかない」のか?(マーク・フィッシャー)その1

資本主義リアリズム作者: マークフィッシャー,セバスチャンブロイ,河南瑠莉出版社/メーカー: 堀之内出版発売日: 2018/02/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る 著者は1968年生まれ、私と同年である。最後までうつ病と闘った…

柄谷行人書評集

柄谷行人書評集作者: 柄谷行人出版社/メーカー: 読書人発売日: 2017/11/15メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る上記の書評が、「週刊読書人」2月9日号に掲載されています。 「読書人」web版にアップされています。http://dokushojin.com/art…