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ニックランドと新反動主義(木澤佐登志)

ニック・ランドと新反動主義 現代世界を覆う〈ダーク〉な思想 (星海社新書) 作者: 木澤佐登志 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/05/26 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る ニックランドとCCRUがこうした冷戦終了後の90年代に現れたのはその…

江藤淳と新右翼

江藤淳: 終わる平成から昭和の保守を問う 作者: 中島岳志,平山周吉 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/05/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 本誌に、上記批評が掲載されています。 よろしくお願いいたします。

いのちの女たちへ とり乱しウーマン・リブ論(田中美津)

いのちの女たちへ―とり乱しウーマン・リブ論 (河出文庫―ウイメンズコレクション) 作者: 田中美津 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 1992/03 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 2回 この商品を含むブログ (1件) を見る 一九九〇年代後半、アジアに対…

〈空白〉の根底 鮎川信夫と日本戦後詩(田口麻奈)

〈空白〉の根底 鮎川信夫と日本戦後詩 作者: 田口麻奈 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 2019/03/14 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 本書をご恵投いただきました。 いつも論考を拝読している、現代詩の研究者である田口麻奈氏による、鮎川信夫…

あるリベラリスト(高見順) その2

作品前半には、そのリベラリズム=文学が、切断されないまま、負け続けることで勝ち続けるものとなっていく、その予兆が描かれているように思う。 冒頭、「進歩的な文芸評論家」と目されている「秀島」が、C町文化会で講演を行うところから作品は始まる。与…

あるリベラリスト(高見順) その1

草のいのちを 高見順短篇名作集 (講談社文芸文庫) 作者: 高見順 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/09/11 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 1951年発表のこの小説は、社会主義者として「大正」期の初期社会主義文学運動に関わり、今や周囲…

ドゥルーズとマルクス 近傍のコミュニズム(松本潤一郎)

ドゥルーズとマルクス――近傍のコミュニズム 作者: 松本潤一郎 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2019/02/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 本書をご恵投いただきました。 中上健次は「物語とは、資本である。物語論とは、資本論である」…

ドイツの新右翼(フォルカー・ヴァイス)

ドイツの新右翼 作者: フォルカー・ヴァイス,長谷川晴生 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2019/01/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 話題の本書によれば、ドイツの保守は伝統的にヨーロッパを「夕べの国」と呼んできた。この概念については…

松本圭二『チビクロ』(『松本圭二セレクション9』)

チビクロ (松本圭二セレクション)作者: 松本圭二出版社/メーカー: 航思社発売日: 2018/06/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る「週刊読書人」8月24日号に、上記の書評が掲載されています。web版 ⤵ で読むことができます。 https://dokus…

江藤淳の共和制プラス・ワン

子午線 原理・形態・批評 vol.6作者: 藤本哲明,究極Q太郎,中島一夫,増田秀哉,大杉重男,稲川方人,松本圭二,森本孝徳,白鳥央堂,安里ミゲル,石川義正,綿野恵太,長濱一眞出版社/メーカー: 書肆子午線発売日: 2018/06/15メディア: 単行本この商品を含むブログ (1…

資本主義リアリズム――「この道しかない」のか?(マーク・フィッシャー)その3

かつて社会主義リアリズムというのがあった。ロシア革命を成就したソ連においては、社会主義がリアリズムたり得た。したがって、それが必然性であり普遍性であった。だが、革命を実現していない資本主義国(例えば日本)に移植された時、それは途端に矛盾を…

資本主義リアリズム――「この道しかない」のか?(マーク・フィッシャー)その2

したがって、単にアナーキズム的、ヒップホップ的な「反」資本主義ではなく、資本主義とは異なる「普遍性」でもって対抗しなければならない。「バディウが力説したように、有効性のある反―資本主義とは、資本への反発でなく競争相手(ライヴァル)でなければ…

資本主義リアリズム――「この道しかない」のか?(マーク・フィッシャー)その1

資本主義リアリズム作者: マークフィッシャー,セバスチャンブロイ,河南瑠莉出版社/メーカー: 堀之内出版発売日: 2018/02/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る 著者は1968年生まれ、私と同年である。最後までうつ病と闘った…

柄谷行人書評集

柄谷行人書評集作者: 柄谷行人出版社/メーカー: 読書人発売日: 2017/11/15メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る上記の書評が、「週刊読書人」2月9日号に掲載されています。 「読書人」web版にアップされています。http://dokushojin.com/art…

アナキスト民俗学 尊王の官僚・柳田国男(すが秀実、木藤亮太)その2

おそらく、本書において、最も疑問や批判を呼ぶのは、戦前から戦後の転換期に、フロイト「トーテムとタブー」のごとき「王殺し」を見ようとするくだり(第三章)だろう。もちろん、この「王殺し」は、天皇主権から国民主権への移行に「革命」を見るという、…

アナキスト民俗学 尊王の官僚・柳田国男(すが秀実、木藤亮太)その1

アナキスト民俗学: 尊皇の官僚・柳田国男 (筑摩選書)作者: 絓秀実,木藤亮太出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2017/04/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る 7月8日(土)、本書の刊行記念トークイベント「アナキズムと柳田国男―「戦後天…

群島と大学 冷戦ガラパゴスを超えて(石原俊)

「週刊読書人」6月30日号に、上記の書評が掲載されています。 下のウェブ版でも読めます。http://dokushojin.com/

タイム・スリップの断崖で(すが秀実)

タイム・スリップの断崖で [ スガ 秀実 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > 政治ショップ: 楽天ブックス価格: 2,484円 本書の書評が、「週刊読書人」2月10日号に掲載されています(以下のwebでも読むことができます)。http://dok…

天使の誘惑(新木正人)

天使の誘惑作者: 新木正人出版社/メーカー: 論創社発売日: 2016/06メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 68年革命の渦中で書かれたこれらの言葉を、まともに論じる能力も資格もない(詳しくは、すが秀実による『遠くまで行くんだ』復刻版の「解説」…

なし崩しの果てーープチブルインテリゲンチャ、平野謙

子午線──原理・形態・批評 Vol.5作者: 下村康臣、武田崇元、松本圭二、中島一夫、手塚敦史、宿久理花子、木藤亮太、大澤南出版社/メーカー: 書肆子午線発売日: 2017/01/15メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る1月15日刊行の『子午線』vol,5…

内野光子「タブーのない短歌の世界を」

触れそびれていたが、昨年の重要な論考の一つに、内野光子「タブーのない短歌の世界を 「歌会始」を通して考える」(『ユリイカ』2016年8月)があった。 歌人である内野は、自ら短歌空間の渦中にいながら、いかに短歌が天皇制と密接に関わっているかを論じ…

小説技術論(渡部直己)

小説技術論作者: 渡部直己出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2015/06/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る この批評家による近作である本書と『日本小説技術史』とを、今ひとつ自らの関心に引きつけあぐねていたが、最近ようやくそれが…

論集 蓮實重彦(工藤庸子 編)

論集 蓮實重彦作者: 工藤庸子出版社/メーカー: 羽鳥書店発売日: 2016/07/06メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る上記に、「批評家とは誰か――蓮實重彦と中村光夫」を寄稿しています。 執筆者は以下のとおりです。http://www.hatorishoten.co.jp…

伯爵夫人(蓮實重彦)

遅ればせながら、この話題作を読んだ(『新潮』4月号)。 冒頭近くに「それにしても、目の前の現実がこうまでぬかりなく活動写真の絵空事を模倣してしまってよいものだろうか」とあるように、さまざまな映画や小説あるいは作家を想起させるような記号がちり…

記号と機械(マウリツィオ・ラッツァラート)

記号と機械: 反資本主義新論作者: マウリツィオラッツァラート,Maurizio Lazzarato,杉村昌昭,松田正貴出版社/メーカー: 共和国発売日: 2015/12/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る今号の「週刊読書人」(2月26日号)に、上記の書評が掲…

マルクス主義における再生産論的転回(沖公祐)

現代思想と政治: 資本主義・精神分析・哲学作者: 市田良彦,王寺賢太出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2016/01/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る ご恵投を受けた『現代思想と政治』(市田良彦 王寺賢太編)には、興味深い論考がずらっと並…

帝国主義の尖兵――文学・転向・擬制

上記連載を、近々刊行の『子午線 原理・形態・批評』vol4にて開始します。初回は、中村光夫を論じました。http://shoshi-shigosen.co.jp/books/shigosen4/ 中村光夫『二葉亭四迷伝』の冒頭に、中村が、染井霊園の二葉亭の墓を訪れたエピソードがあります。…

千坂恭二『思想としてのファシズム』

思想としてのファシズム作者: 千坂 恭二出版社/メーカー: 彩流社発売日: 2015/07/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 戦後が忌避してきた、軍や戦争、死への思考をとり戻そうとする本書は、安保法案反対を、「戦争反対」のロジックと言葉…

子午線 vol.3 原理・形態・批評

子午線 vol.3―原理・形態・批評出版社/メーカー: 子午線 原理・形態・批評発売日: 2015/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 「大阪都構想、是か非か」をめぐる住民投票が終わった。特徴的だったのは、それが勝者も敗者もともに「民主主義…

江藤淳と大江健三郎 戦後日本の政治と文学(小谷野敦) その2

繰り返せば、その時「政治と文学」の二項を媒介したのが、「人民戦線=青春」だった。ここにおいては、中野重治が転向して私小説を書くことも、小林秀雄が「私小説論」において、私小説をマルクス主義のタームで捉えることも、すべて「同心円」の中で矛盾な…