2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

三島由紀夫『詩を書く少年』

花ざかりの森・憂国―自選短編集 (新潮文庫)作者: 三島由紀夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1968/09/17メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 71回この商品を含むブログ (90件) を見る 三島を面白いと思ったことはない。 機会があって、三島自身が文庫解説で、…

ジャッジ 裁かれる判事(デヴィッド・ドブキン)

「裁かれる判事」というより、むしろ裁かれる「弁護士」というべき作品だろう。作品として真新しさはないものの、弁護士「ハンク」を演じたロバート・ダウニーJrのひたすら鼻につく感じというか、鼻持ちならない感じがよかった。 いったい、彼はなぜ「裁か…

『異邦人』論争下の花田清輝

武井昭夫が、はじめて花田清輝の話を聞いたのは、ちょうど中村光夫と広津和郎による『異邦人』論争のさなかだったという。 新日本文学会の大会でそれをめぐる議論の途中、花田が「射殺されたアラブ人の立場からものを見ろ、その立場から論じた人が一人でもあ…

トークイベント「批評の敵」を終えて

あくまで私的な感想を書いておきたい。 スタンスも世代も異なる文芸批評家に集まっていただいたので、むろん話は拡散的になったが、にもかかわらずコアの部分で問題意識はシンクロしていたように思う。それは一言で言えば、われわれが何らかの形で、1930年代…

トークイベント「批評の敵」

1月20日(火)に、近畿大学にて、トークイベントを行います。学外の方の参加も自由です。

インターステラー(クリストファー・ノーラン)

ずいぶん前に見たのだが、ある懸念が的中してしまい、ずっと書く気が起こらなかった。だが、あまりにも本作の評価が高いので、やはりあまのじゃく的に書いておこう。 すでに前作『ダークナイトライジング』(2012)のバットマンが、街を救うべく、海上で爆弾…

0.5ミリ(安藤桃子)

冒頭、痰を吸引する管が映し出され、カメラは徐々に老人の口元へ、さらには傍らの家族らしき娘と介護するヘルパーへと移っていく。生々しいまでの介護の具体性を入口として、それを伝ってその奥に広がる家族関係、人間関係を映し出していこうとする本作のテ…