2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

平和憲法の「門前」――デリダ、カフカ、鷗外 その2

残念ながら、われわれの掟はあまりよく知られていない。支配者である小さな貴族間の秘密であるからだ。古い掟はきちんと守られているとみていいのだが、自分の知らない掟によって支配されるのは、けっこう苦痛なものである。だからといって、掟に対するさま…

平和憲法の「門前」――デリダ、カフカ、鷗外

戦後の平和憲法が、いわゆる「八月革命」(宮沢俊義)による「王殺し」によってもたらされた共同体の「平和」とその憲「法」への書き込みという、フロイト『トーテムとタブー』のような「出来事」だったとして、重要なのは、デリダが分析したように、われわ…