2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

TENET(クリストファー・ノーラン)

映画『TENET テネット』US予告(時間の逆行編) (本稿は、作品の「読解」を精緻に試みるどころか、それに「逆行」しています) 地球に住めなくなった未来人が、いったん現世界を終わらせ、そこから時間を逆行させることを「選択」する。すなわち、今後は未…

国民文学論は不毛だったか(その2)

六〇年安保は、竹内の「民主か独裁か」の声とともに、あれほどまでに「国民」的に高揚していったといわれる。 竹内は、「民主か独裁か、これが唯一最大の争点である。民主でないものは独裁であり、独裁でないものは民主である。中間はありえない」、「そこに…

国民文学論は不毛だったか

前田愛「国民文学論の行方」(一九七八年五月『思想の科学』)などを見ても、竹内好が提唱し、戦後最大規模の文学論争に発展した「国民文学論」は、しかしきわめて不毛に終わったというのが概ね定説になっているようだ。前田は、不毛に終わった原因を、竹内…