2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

スラヴォイ・ジジェクの倒錯的映画ガイド2 倒錯的イデオロギー・ガイド(ソフィー・ファインズ) その2

二〇世紀の映画=イデオロギーの認知図を見渡すことでしか、ポスト・イデオロギーの現在とは何かを理解し得ない。そして、ポスト・イデオロギーとは、何よりもポスト共産主義にほかならず、このことを受容しないことには、「迫り来る革命」を思考し得ない。 …

スラヴォイ・ジジェクの倒錯的映画ガイド2 倒錯的イデオロギー・ガイド(ソフィー・ファインズ) その1

古くは、レニ・リーフェンシュタール『意志の勝利』、デヴィッド・リーン『逢びき』から、近くはジェームズ・キャメロン『タイタニック』、クリストファー・ノーラン『ダークナイト』まで。数多の映画作品を矢継ぎ早に引用し、シーンに潜むイデオロギーを浮…

PK(ラージクマール・ヒラニ)

嘘と詩を知らない星からやってきた風変わりな男が、優しい嘘と詩を覚えて帰っていく――。 前作『きっと、うまくいく』同様、いわゆるマレビト=物語である。どこからともなくやって来て周囲に影響をもたらし、共同体を変革して去っていく「マレビト」(折口信…

AI的リアリズム

先日の記事(11/8)で書いた「移人称小説」について、もう少し。 渡部直己が言うように、作中で人称や視点が切り替わる「移人称小説」は、「「私小説」を育んできたような描写の持続的覇権が、これを拒んできた」ために、「たやすくは「露出」してこなかった…