- 出版社/メーカー: 思潮社
- 発売日: 2010/03/29
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「現代詩手帖」4月号に、「鮎川信夫のユートピア ソルジェニーツィン・内村剛介・石原吉郎」が掲載されています。
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もし、鮎川信夫がグローバルな存在たり得るとしたら、それは戦後詩人としてではなく、ソルジェニーツィン『収容所群島』全巻を公刊と同時にいち早く(そして、おそらくはただ一人)読破し、そのインパクトを、ある意味でもっとも真しに受け止めたからにほかならない。
鮎川は、吉本隆明との『対談 文学の戦後』(一九七九年)において、以下のように発言している。
「「収容所群島」についていえば、あんまりいまの文学者は読んでないよ。(中略)とにかくだれも読んでない。だから、ある意味においていうと、みんなのんきに小説書いていられると思う。また、批評家もわりあいのんきなことを書いていられるという気がするのです。ぼくは、あれだけ騒がれたのにだれも読んでないということに、ちょっと驚いている。」
(中島一夫)