2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

江藤淳の共和制プラス・ワン

子午線 原理・形態・批評 vol.6作者: 藤本哲明,究極Q太郎,中島一夫,増田秀哉,大杉重男,稲川方人,松本圭二,森本孝徳,白鳥央堂,安里ミゲル,石川義正,綿野恵太,長濱一眞出版社/メーカー: 書肆子午線発売日: 2018/06/15メディア: 単行本この商品を含むブログ (1…

ファントム・スレッド(ポール・トーマス・アンダーソン)

オートクチュールの仕立て屋で完璧主義の職人「レイノルズ」(ダニエル・デイ=ルイス)が、後半、自らのハウスの従業員が他のハウスに黙って移っていったことを、姉のシリルから聞かされる場面。姉が「今はシックな服を好む人も多いから」と、「シック」と…

生政治とプロレタリア独裁――ウェス・アンダーソン『犬ヶ島』のために

ジジェクが言うように、「生政治は恐懼の政治であり、あり得べき犠牲化や嫌がらせ(ハラスメント)に対する防御として定式化される」(以下、引用は『ロベスピエール/毛沢東』長原豊、松本潤一郎訳より)。移民への懼れ、犯罪への懼れ、生態環境の破局への…