2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

革命の狂気を生き延びる道を教えよ その3

大江健三郎の狂気が生き延びる道、それは天皇制―民主主義のインフラたる一夫一婦制に回収されまいとするところに賭けられている――。 そのように考えれば、大西巨人による、あの激烈な『われらの時代』批判も、また違った角度から見えてこよう(「大江健三郎…

革命の狂気を生き延びる道を教えよ その2

その大江の狂気は、PCをこえたものとして見出される。 それがどのような意味で逸脱であり狂気であるかと言えば、今日のブルジョア道徳であるポリティカル・コレクトネスの水準に照らして大江作品を読んでみれば、明らかである。いちいち例をあげるまでもなく…

革命の狂気を生き延びる道を教えよ

今さらだが、すが秀実「小説家・大江健三郎 その天皇制と戦後民主主義」(「群像」2020年3月)は、この批評家の68年論を考えるうえで不可欠な論考になろう。だが、そこから何かを学ぼうとする者は、いつにもまして突き放される。ここで、すがは、「今ここに…