2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

文学は故郷を失ったことなどない その2

日本近代文学の「内面」という制度が、実はメランコリックな「欲望」だとして、その欲望が満たされることはあり得ない。なぜなら、その欲望の対象は、はじめから「欠如」しており、本当は「喪失=メランコリー」ではないからだ。メランコリー自体が捏造され…

文学は故郷を失ったことなどない

すが秀実の「「鬱」とナショナリズム」(「ユリイカ」二〇〇四年五月)は、確か単行本未収録だが、天皇制と民主主義とが――すなわち日本近代文学の起源において創設された「国民」(ネーション)が――矛盾なく受け取られている今日、ますます重要な批評として…

杉田俊介『橋川文三とその浪漫』

上記の書評が、「週刊読書人」7月1日号に掲載されています。