2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

福田恆存の「政治と文学」その3

福田の「政治=九十九匹」は、従来の「政治と文学」における「政治=マルクス主義」からすでに転換している。「ぼくがこの数年間たえず感じてきた脅威は、ミリタリズムそのものでもなければナショナリズムそのものでもなかった――それはそれらの背後にひそむ…

福田恆存の「政治と文学」その2

福田恆存は、「一匹と九十九匹と」や「人間の名において」(いずれも一九四七年)によって、主に中野重治と荒正人、平野謙との間で繰り広げられた、いわゆる戦後「政治と文学」論争にコミットした。 特に「一匹と九十九匹と」は高名だが、福田はそこで、ルカ…

福田恆存の「政治と文学」

黙示録論 (ちくま学芸文庫) 作者:D・H ロレンス 発売日: 2004/12/09 メディア: 文庫 情動の思考―ロレンス『アポカリプス』を読む (ポストモダン叢書) 作者:ドゥルーズ,ファニー,ドゥルーズ,ジル メディア: 単行本 「他人を裁かずにいられない」という現在の…