2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ブラック・クランズマン(スパイク・リー)

スパイク・リーはいつもあまりに直球なので、ある時期からちょっと食傷気味だったが、これは彼の最高傑作ではないか。 まずは、原題「BlacKkKlansman」(黒の一族の人間)が多義的で示唆的。 今作のテーマである白人至上主義団体KKK「クー・クラックス・…

ドイツの新右翼(フォルカー・ヴァイス)

ドイツの新右翼 作者: フォルカー・ヴァイス,長谷川晴生 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2019/01/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 話題の本書によれば、ドイツの保守は伝統的にヨーロッパを「夕べの国」と呼んできた。この概念については…

運び屋(クリント・イーストウッド)

「運び屋」はシジフォスの労働だ。 シジフォスは神々の言いつけで何度となく大きな岩を運ぶが、山頂に運び終えたその瞬間に岩は転がり落ちてしまう。どんなに運んでも、いや運べば運ぶほど、重荷から解放されるどころかそれは新たに増すばかりだ。 人生は後…