2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

1987、ある闘いの真実(チャン・ジュナン)

韓国の民主化の映画を見ると、ある種の羨望を覚えずにいられない。冷戦の崩壊は、さまざまな意味でわれわれから「未来」を奪った。だが、まだここでは冷戦が終わっていないのだ。 それが「幻想」であることもよく分かっている。それは、実質的にはとうに「崩…

江藤淳とヘーゲル

「子午線6」掲載の「江藤淳のプラス・ワン」で詳しく論じたが、江藤は戦後日本を、民主国ではなく君主国と捉えようとしていた。 江藤 しかし、これについては現行憲法の一条と二条の相互連関をよくよく考えなければいけない。第一条には、天皇は日本国の象…

ドライブイン蒲生(たむらまさき)

人生はドライブインのようだ。 ドライブインのメシは不味い。うまかったら、長居してしまうから。ドライブインは、どこからかやって来た人を、またどこかへと向かわせる、そんな場所でなければならない。それは、来し方と行く末を中継する「橋」だ。 冒頭、…

判決、ふたつの希望(ジアド・ドゥエイリ)

レバノン映画として初めてアカデミー賞にノミネートされた作品。 違法建築の補修作業にやって来た現場監督とその家の住人とのささいな行き違いが、しかし二人がパレスチナ人とレバノン人であり、さらに難民と彼らを差別し排除しようとするキリスト教右派政党…