2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧
「私が生きのびたのは、おそらく偶然によってであったろう。生きるべくして生きのびたと、私は思わない。」「生き残ったという複雑なよろこびには、どうしようもないうしろめたさが最後までつきまとう。」「生きている限り、生き残ったという実感はどのよう…
おそらく、本書において、最も疑問や批判を呼ぶのは、戦前から戦後の転換期に、フロイト「トーテムとタブー」のごとき「王殺し」を見ようとするくだり(第三章)だろう。もちろん、この「王殺し」は、天皇主権から国民主権への移行に「革命」を見るという、…
アナキスト民俗学: 尊皇の官僚・柳田国男 (筑摩選書)作者: 絓秀実,木藤亮太出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2017/04/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る 7月8日(土)、本書の刊行記念トークイベント「アナキズムと柳田国男―「戦後天…
それは、後々判明するように(したがってネタバレになるが)、ラナをレイプした犯人が、まさに60歳を超えているだろう、くたびれたセールスマンだったからだ。 エマッドは劇でセールスマンのウィリーを演じることで、バスルームで一人シャワーを浴びていた…
冒頭、ベッドやイス、テーブルなどの家具が映し出される。 すると、いきなり外で「早く逃げろ、建物が崩れるぞ!」と叫び声がする。エマッド(シャハブ・ホセイニ)とラナ(タラネ・アリドゥスティ)夫婦も、何が起こったのか分からぬまま、とるものもとりあ…
「週刊読書人」6月30日号に、上記の書評が掲載されています。 下のウェブ版でも読めます。http://dokushojin.com/