2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

きっとここが帰る場所(パオロ・ソレンティーノ)

何とも不思議な作品だ。 物語も人物の描かれ方も今ひとつなのに、妙に癖になる面白さだ。この監督には、構図といいつなぎ方といい独特の映像感覚がある。ショーン・ペンがほれ込んだのも分かる。彼の演じる主人公シャイアンの決めゼリフではないが、「何かヘ…

ブラック・ブレッド(アウグスティ・ビリャロンガ)

もはやアルモドバルの作品を見ても、ほとんどスペインの生命力を感じることはできない。それは、良くも悪しくもグローバルになってしまった。新作『私が、生きる肌』の、地に足の着いた生活から完全に遊離したアッパーぶりからは、現在の財政状況にあえぐス…