2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

武井昭夫、「思想運動」の意味を求めて

映画芸術 2011年 02月号 [雑誌]出版社/メーカー: 編集プロダクション映芸発売日: 2011/01/29メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 61回この商品を含むブログ (4件) を見る 「映画芸術」最新号に掲載された、武井昭夫さんの追悼座談会に参加しました。他の参加…

ソーシャル・ネットワーク(デビッド・フィンチャー) その2

もう一つの超越性は、作品全体を支えている裁判である。ザッカーバーグをめぐる二つの訴訟が、この作品全体の枠組を与えているといってよい。映画では、Facebookの展開と、のしあがっていくザッカーバーグの姿が描かれながら、たびたびこの裁判シーンに戻っ…

ソーシャル・ネットワーク(デビッド・フィンチャー) その1

冒頭にすべてがつめこまれているような映画だ。 最大のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、Facebookを立ち上げていく、その前夜にあるハーバード大学の学生マーク・ザッカーバーグと恋人のエリカ。二人の語らいは、だがとても恋人どうしのそれに…

母子寮前(小谷野敦)

母子寮前作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/12メディア: ハードカバー クリック: 121回この商品を含むブログ (25件) を見る 「週刊読書人」1月21日号に、上記の書評が掲載されています。

青春の蹉跌(神代辰巳)

九条のシネ・ヌーヴォで「神代辰巳レトロスペクティヴ」という特集をやっていた。久々に神代作品を何本かまとめて見倒し、堪能した。 ロマン・ポルノもさることながら、今回は「青春もの」がやけに印象に残った。昨年読んだ、すが秀実によるショーケンこと萩…

柄谷行人「世界史の構造」トークイベント

世界史の構造 (岩波現代文庫 文芸 323)作者: 柄谷行人出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/06/25メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 232回この商品を含むブログ (75件) を見る 批評家の柄谷行人さんをお招きして、『世界史の構造』をめぐるトークイベン…

ノルウェイの森(トラン・アン・ユン)

上原輝樹は、本作を反革命映画だと述べている。そのうえで、ソダーバーグの『チェ28歳の革命/39歳 別れの手紙』や、ウリ・エデル『バーダー・マインホフ 理想の果てに』、若松孝二『実録・連合赤軍』などと「顔を並べる」べき、21世紀における「68年の…