2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ウェディング・ベルを鳴らせ!(エミール・クストリッツァ)

もちろん、あのクストリッツァの新作なのだから、面白かったに決まっているのだ。だが、あからさまに田舎と都会の差異が導入され、これ見よがしにアダムとイブの楽園追放のストーリーが挿入されることで、何とか物語が駆動していくのを見るにつけても、やは…

ハネムーン・キラーズ(レナード・カッスル)

先日、「シネ・ヌーヴォ」(大阪・九条)で「ケイブルホーグ・コレクション」としてかかっていた作品。 「ケイブルホーグ」とは、1982年に根岸邦明氏が創立したミニシアターで、サム・ペキンパー、フリッツ・ラング、ジャン・コクトーなどコアでマニアックな…

1Q84(村上春樹)

ここ数日、書評の仕事のために、村上春樹の新作『1Q84』を読んでいた。 “謎とき”はそちらでしておいたが(来週発刊の「週刊読書人」)、ここでは、100万部突破(実売数は不明)の一つのきっかけになったと思われる、エルサレム賞受賞講演について触れたい…

ジョゼと虎と魚たち(犬童一心)

学生が何人か、好きな映画に挙げていたのでDVDで見てみた。 なるほど、セットや衣装のチープさ加減や、何ともいえないガジェット感、物語のあざとさなど、きわめてイマっぽいなと感じた。 「あざとさ」というのは、足に障害を抱え、ほとんどを家で過ごす主人…